MIPS/円 ワースト記録を更新した件
16ビット機に飽きたので、一時栄華を誇ったらしいMSXに手を出してみることにした。
BASIC搭載でキーボードもついてるパソコンでありながら、ATARI端子やROMカセットスロットが付いているという半ゲー半パソ的なシステムだ。
各社が好き勝手に自社独自規格マシンを製造してた時に、統一規格として作られた。
時代の一歩先を行きながらも滅びてしまったあたりセガハードに通じるところがある。
さっそくオークションやフリマサイトを眺めてみるが、手ごろな価格で買えるものは初代MSXの低価格機ぐらいで、ある程度派手なゲームが遊べるMSX2やフロッピーが標準装備になったMSX2+は割と冗談のような値段で取引されている。
そういえば昔、会社でMSXが出てきたから売ってくれと言われて、オクで処分した時はかなりとんでもない額が付いたのを思い出した。
落札したのはたしか外人向けのオークション代行サービスだったハズなので、レトロゲーム機の海外流出はMSXも例外ではないようである。
生きている本体がガンガン海外に出てしまっては、国内流通が減ってその分相場が上がるのは致し方なしと言ったところか…
今後はどんどん入手難易度が上がると見て、多少割高でも一台押さえておくことにした。
それがSANYOのPHC-70FDだ。
MSX2+、フロッピードライブ搭載。
イケメンSONY機と違い地味なデザインだが昔パソコンとしては結構おされな方ではないだろうか。
到着後、とりあえず電源を入れてみると内蔵のBASICが立ち上がった。
音声出力を確かめる方法がない(テスト用テレビに3.5ミニプラグしか入力端子がないのだが、手持ちのRCA>3.5変換プラグが太すぎてギリギリ差し込めない)のだが、映像は出力されている。
キーボードは一部のキーが入力できなかったが、分解してメンブレンの上下を掃除したら入力できるようになった。
メンブレンは上下が密閉してあって、中身に埃が入り込まないようになっているようだ。
また、キーボード自体、キートップがプラのベースの上にはめ込まれていて、さらにそのベースがメンブレンを挟んで金属の板にはめ込まれるようになっている。
かなり金のかかった設計だ。ただし、現代の感覚によるもので、当時はこのくらいが普通だった可能性はある。
隙間に入り込んだゴミがスレて、パターンが剥がれてしまうトラブルが多いらしいS〇NY機より扱いやすいのではなかろうか。やっぱりパソコンは見た目より中身。
Macをかき集めているヤツのセリフとは思えないが。
フロッピーは読み込みが出来なかったが、想定内の出来事である。
コンデンサーが漏れるらしいと聞いているので、分解して調べてみたところ、テスターを当てるまでもなく足に液漏れ跡が確認できたので、交換が必要だろう。
在庫が無いため、交換はコンデンサー待ち。
手元にROMのゲームソフトが一本もないので、BASICでベンチマークプログラムを打ってみて適当に遊んでみた。
テープ用のインターフェースケーブルがあれば、パソコンから音声出力でデータを流し込めるらしいのだが、FDDの修理に失敗してからでもよさそうではある。
それにしても1MIPSあたりの値段のワースト記録を更新してしまった気がする。
PCエンジンGTがスペック的に同じクラスだが、あっちは少し安かった。
とはいえGTは修理に失敗して起動すらしないので、起動する分こっちの方がマシだろうか…