PowerBook G3 (1998)に関するメモ
某オークションサイトで、WallstreetことPowerBook G3 series 13インチモデルを落札した。
とあるマック修理サイトに、「レガシーマックとOSX機との橋渡し役として最適」と書かれていたため。
おそらく実際には、データ移行などZipやMOで済ませてしまうのだろうが、「最後のレガシーインターフェース搭載機」「最後のPCカードスロット自動イジェクト搭載機」などなど、「最後の」が並んでしまうと、必要がなくとも入手したくなるのがマニアの性といえるだろうか。
ジャンク品のため、本体価格より送料が高くついてしまったが、筐体自体は年式のわりに傷などが少ないものだった。
商品写真を画面に穴が開くほど見つめて、ビネガーシンドロームが発生していないことは確認済み。
しかし、ACアダプタをつなげると、冷却ファンが全速力で回転し、画面は表示されず起動音もならない。
HDDもスピンアップしないため、起動プロセスに入ってすらいないようである。
試しに、PMUリセットを行うが、ファンの回転が止まるだけで効果はなし。
次に、掲示板などでよく見る「ACアダプタをつなげて2日以上放置する」を実行するも、こちらも効果は認められず。
掲示板上では、「PRAM電池が切れていても起動する」という書き込みがあるかと思えば「PRAM電池がないと起動しない」という意見もあったりでちぐはぐである。
私の個体は後者。
原因を考えながら、某オークションやフリマアプリを眺めていて気付いたことがある。
それは、フロッピーマークやOS起動画面が撮影されている個体が14インチモデルに偏っているということ。
G3 1998モデルにはご存じのようにWallstreet、Mainstreetと呼ばれる前期型、PDQという後期型が存在する。
オークションに出品されている、「とてもメンテナンスを受けているように見えないにも関わらずきちんとBOOTする個体」は、記入されたスペックなどからすべてがPDQだと推測される。
12”や13”、14”でも292Mhzのモデルで、最低でも?フロッピーマークまで起動している写真が掲載されたオークションはここ一か月で一度も見た覚えがない。
つまり、掲示板に書き込まれたPRAM電池にかかわる挙動は、実は両方正しくて、書き込んだ人間がPDQとWallstreetを混同しており、なおかつ、AppleがPDQを発売するにあたり、電源管理ボード(PMU)のマイナーチェンジを行い、PRAMバックアップバッテリーが死んでいても、とりあえず起動プロセスが開始されるようにしたのではないか、という推測が成り立つ。
現時点でとりえる、手持ちのWallstreet 13インチを動かすための手段は、「某修理屋からPRAMバックアップバッテリーの新品を購入する」「PDQからPMUを移植する、もしくはPDQに13インチのモニタを移植する」といったところか。
PDQは一見完全上位互換のように見えるし、発売当初はそうだっただろう。
しかし、発売後20年を経た今では全く異なる。
PDQ(+14インチのWallstreet 292Mhzモデル)には、ディスプレイアセンブリの重さでヒンジ金具が破断するという致命的な欠陥があることが分かっているためだ。
2000年代初頭には、海外の業者が自作したヒンジ金具に交換するサービスを行っていたようだが、今では当然入手できない。
部品取りとして、不動のMacが一台増えることを許容できるなら、オークションやフリマでビネガー状態のジャンクを買って部品取りするのが一番金がかからないだろう。
それに、新品PRAMバッテリーを買ったとしても、たまに起動して遊ぶ程度の使用頻度では、メインバッテリーが死んでいる現状ではまたすぐにPRAMバッテリーを過放電で壊してしまいかねない。
せめて99や2000のように、KBを持ち上げたらすぐにPRAMバッテリーにアクセスできる設計であれば、使う時だけバッテリーを付けるという運用もできるのだが…