特に何もしていなくても直っている機械
去年の夏頃、本州在住の方からオークションで買ったPowerBook280がある。
PowerBook特有の珍しいパーツ、グレースケールTFTを搭載したモデルで、その画面はモノクロ写真のような独特の味わいがある。
ところが。
このグレースケールTFT、購入後数年も経つと、画面の四隅が黒ずんでくるという怪現象が起きるのである。
日本のDuoクラスタでは「クマ」、外国のコミュニティではTunnelingなどと呼ぶらしい。
で、このクマ現象、外人曰く、原因は例によって空気中の水分らしく、低温に設定したオーブンであぶったり、乾燥剤と一緒に密封したりなどして水分を除去すると直るらしい。
私は日本の北の方に住んでいるため、水分が原因のパソコン破壊活動にはあまり縁がない。
20年近く前から所有しているPC-98が何台も押し入れに詰め込まれているが、一台たりともビネガーシンドロームを発症したことがないのである。
表題のDuoに戻ると、購入後画面のクマに落胆し押し入れの中へしまい込んでいたが、我が家の押し入れは真冬だと温めの冷蔵庫、真夏でも涼しいくらいの気温を保っていて、湿気もあまりない。
もしかすると、半年ほどの保存中に湿気が飛んだのではなかろうか?と考え、先ほど試しに電源を入れてみた。
すると、予想通り、購入直後はデスクトップが表示されるまでの間にクマが発生していたのが、全くでなくなっていたのである。
数分ほど放置してみたが、クマが出る気配はない。
数時間単位で稼働させたら発生する可能性もあるが、この個体、マザーボードが死んでいたため、2300のマザーを移植してあり、そのマザーが非常にコイル鳴きしてうるさいことこの上ないので実験を中止した次第。
必死にコンデンサやドライブベルトを交換しても修繕されない機械があるかと思えば、なーんもしなくても勝手に復活する機械があったりで、複雑な心境である。
一つ言えることは、湿気マシマシの本州以南は(90年代の)ノートパソコンにとってかなり過酷な環境だということか。
ガワが280だけどマザーボードは2300。
この機械を一体なんと呼べばいいのだろうか。
280改あたりが妥当か?