オールドPC沼:入口

Mac、98、Dos/V(あえてこの書き方)等のオールドPCを愛でる人のブログ。

PC沼の住民によるオススメオールドPC・PowerBook (G3以前)編

前回同様、持ってるコレクションの個人的評価を垂れ流していくヤツで。

 

Macintosh Portable オススメ度 ☆

 

PowerBookと言いつつしょっぱなからPowerBookじゃないのが出てきた。

Appleのモバイル機の元祖。

持ち歩けるMacを目標に、必要な機能を全部詰め込んだら、モバイル機として一番大切な携帯性がどこかへ飛んで行ってしまったという意欲作…

 

バッテリーは過放電一発で即死する密閉型鉛電池、HDDはSCSIだけどコネクタが特殊な3.5インチタイプ、メモリはS-RAMと中古品を手に入れてもパーツが手に入るビジョンが全く見えてこない。

 

そして基板全体に電解コンが使われており、交換は必須。

 

とはいえ記念碑的モデルなのでMacコレクターなら所有しておきたいのは間違いない。

デカくて重いけどデザインも悪くないし。

 

PowerBook 100 オススメ度 ☆

 

SONYAppleから依頼され製造したモデル。

Portableをダウンサイジングしたものらしく、バッテリーの仕様とかCPUとかがほとんど同じ。

電解コンデンサーが大量に使われているところまで同じため、現時点でメンテしていない個体は100%正常動作しないと言い切っていい。

当方が所有してる個体も、起動音はするけどディスプレイに何も表示されない故障品。

ちゃんと動くだけでもレア。

最初のPowerBookなので、いつかは完動品を所有したい。

 

PowerBook 140/170 オススメ度 ☆

 

初代PowerBook三兄弟の残り2つ。

100と違い、Appleが0から設計したモデル。

基板上には耐久性が高い代わりに高価なタンタルコンデンサが使われているらしく、今でも割と動作することが多い。

ただしACアダプタ側に電コンが使われているので、そっちが原因で起動しないことは多々ある。

二機種の違いはCPUのクロックとディスプレイの種類くらい。

170はモノクロTFTなので、非常に見やすいが、多湿環境では液晶パネルに含まれた水分が原因で、しばらくすると四隅が黒ずむ現象が発生することがある。

また湿気か…

ビネガーを免れてもなお湿気でだめになっていくオールドPC達。

 

PowerBook 180c オススメ度 ☆☆

 

ディスプレイが無事ならオールドPowerBookとしては悪くないモデル。

外付けになるがCD-ROMは使えるし、非常に小さいながらもカラーTFT液晶は視認性が高い。

HDDが2.5InchSCSIの為、ドライブが壊れると大変なのはこのモデルに限らずほとんどすべての68kPowerBookに共通する問題。

 

PowerBook 540c/550c オススメ度 ☆☆

 

PowerBook 180cの後継モデル。

前世代までの直線主体のデザインから一変、曲線を多用した優美な筐体に移行した。

見た目の良さだけでいうなら、現行機種とも互角に渡り合えるかもしれない。

HDDがSCSI、バッテリーが液漏れして基板を破壊しがち、バッテリー二本を同時に充電しつつ本体も駆動するために二系統の供給が出来る代わりにコネクタが死にやすいACアダプタなど弱点も多いがMacコレクターなら是非持っておきたい一品。

 

PowerBook Duo 210/230 オススメ度 ☆

 

インターフェース類をほぼすべて撤去してしまい、持ち運びに特化したモデル。

左右側面に一切穴が開いていないノートパソコンってこのシリーズだけなのではないか。

標準状態ではマウスすら繋げないが、本体後部に拡張バスコネクタがあり、そこへ拡張用のドッキングステーションを取り付けられる。

外出時はドックから取り出すというスタイルか。

USB Type-Cが開発されたことで、現在ようやく完成したモデルの最初の製品と言えないこともない。

このモデルに関していえば、違いはCPUのクロックのみ。

ディスプレイは両方モノクロのSTNのため、視認性は今三つくらい。

基板上に電解コンデンサが実装されているが、液漏れするタイプではないようで、液漏れで故障はしない模様。(ただし普通に劣化して起動しなくなることはある)

表面実装タイプで、設計に余裕がないため、交換はかなり難易度が高い。

修理目的でジャンクを買うのはあまりお勧めしない。


PowerBook Duo 250 オススメ度 ☆

 

230のディスプレイをグレースケールTFTに変更したもの。

グレースケールTFTは非常に表示が綺麗だが、170の物同様、経年劣化で四隅が黒ずむ為これも完動品はほぼ存在しないと言っていい。

国民総ワンパクボーイズなメリケン人は、ディスプレイパネルを低温のトースターで炙って水分を飛ばしたり、乾燥剤と一緒に密封したりして修復するらしい。

北海道では、購入後半年ほど普通に保管しておいただけで症状が改善されたりした。

ビネガーシンドロームも発生しにくいので、オールドPCコレクターは北海道に住むべき。

 

PowerBook Duo 270c オススメ度 ☆

 

230のディスプレイをカラーTFTに変更したもの。

グレーと違い、黒ずみは出ないがビネガーは発生する。

TFT液晶はカラーでも偏光板を交換すれば修復できるらしいので、修理のしやすさでいえば、250よりはマシと言えるかもしれない。

 

PowerBook Duo 280 オススメ度 ☆

 

CPUが68LC040にパワーアップした後継モデル。

グレースケール液晶が相変わらず黒ずむ。

このモデルに限らず、Duoは2300cのマザーボードが無改造で入れられる為、マザーボード故障で起動しない場合、ビネガー発症でたたき売りされている2300を買って中身を移植してしまうのが手っ取り早い。

2300のマザーボードならIDEのHDDも使えて一石二鳥。

68LC040の消費電力に耐えきれないのか、030搭載モデルよりコンデンサーの劣化が激しい?

二台買ったが、二台ともマザーボードが故障していて起動しない。

 

PowerBook Duo 280c オススメ度 ☆

 

カラーTFTであること以外280と同じ。

 

PowerBook Duo 2300c オススメ度 ☆☆

 

PowerPC化したDuoにして、Duo最後のモデル。

DuoDockに入れられるようにシリーズ通して外形寸法が全く同じであることを逆手に取り、マザーボードの形状まで統一し、過去モデルのマザーボード全入れ替えによるアップグレードという前代未聞のサービスを提供していたため、この機種のマザーは、カラー液晶、グレー液晶、SCSIIDEとすべてのモデルに対応できるように多数のコネクタが実装されている。

部品取りとしても優秀だし、このモデル自体も結構頑丈に出来ているため、Duo入門には唯一お勧めできる。

とはいえディスプレイがカラー化して重くなったため、ヒンジ部分がほぼ100%破損するのは玉に瑕。

分解して、ネジを受ける金具を接着剤やパテで固める必要がある。

このモデルのみ、ACアダプタのスペックが違うので注意。

 

PowerBook 5300c オススメ度

 

まさかのオススメ度0。

ACアダプタのコネクタが折れやすい、ヒンジがもろいなど、PowerBookの悪い要素の集大成になってしまった。

我が家の5300は、プラスチックの引き出しに入れておいたところ、いつの間にか液晶ヒンジが破損してタブレットPCのように外れていた。

キャスターが壊れていたため取り外して床に直置きしてあったのだが、地震の時に上段が揺れ、その際負荷がかかって折れたのではないかと思う。

 

 

PowerBook 1400 オススメ度 ☆☆☆

 

無難なデザイン、そこそこ頑丈な筐体、それなりのスペックに、念願のCD-ROMドライブ搭載可能と、発売当初もかなり人気があったらしいモデル。

バッテリーが液漏れしやすい事を除けば、オールドPowerBookをとりあえず触ってみたい人には一番お勧めできる。

ただし液晶は相変わらずビネガーしやすい為、完動品を手に入れるのは案外大変かもしれない。

TFTとDSTNのモデルがあるが、DSTNでもカーソルを動かしたりしなければ割と視認性が高いので、あえてTFTにこだわる必要はないように思う。

ちなみにCPUがサブ基板にまとめられており、あとからアップグレードが出来る設計になっている。

G3アップグレードが乗っている事があるが、周辺回路が足を引っ張ってそれなりのスペックにしかならないため、オークションで頑張らないように気をつけたい。

 

PowerBook 2400c オススメ度 ☆☆

 

日本に熱狂的ファンが存在するモバイルPowerBook

小型の筐体に、必要なインターフェースをすべて詰め込み、2kgをギリギリ切る重量を実現。

日本ではかなり売れた模様。

日本でのみ限定モデルの240Mhz版が発売された。

有名なモデルなので欲しいという人は結構いるだろう。

中古で購入した際の注意点は、時計保持用のバッテリーが液漏れするため、前ユーザーが撤去していない場合、購入後必ず分解が必要ということは頭に入れておきたい。

分解難易度は割と高め。

メインバッテリーはリチウムイオンなので、こちらは液漏れの心配はない。

たぶんオークションでPowerBookと名前の付く機種の中でも一番高い機種。

 

PowerBook 3400c オススメ度 ☆☆

 

5300系の筐体を奥行き方向に延長したようなデザイン。

PCIバスや当時最強のPowerPC 603e 240Mhzを搭載して、スペックだけは高かった模様。

液晶パネルにスピーカーが内蔵されており、ヒンジが壊れやすいのが難点。

またか。

ようやくCDドライブが内蔵できるようになったが、ヒンジが壊れやすい為、どちらかというと1400の方がオススメできる。

死ぬほど高価だったので、市場にあまり出回ってない。

オークションでもたまにしか見かけないが、希少価値はそれほど高くないので、入札するかはよく考えよう。

 

PowerBook G3 オススメ度

 

本日二度目のオススメ度0。

G3と言って想像する白いリンゴのアレではなく、3400の筐体にG3を乗せただけの最初期モデル。

あっという間にジョブズ復帰からの新PowerBookG3が発表されてしまった為、ほとんど市場に出回っていない。

当時のプレスリリースを読むと、生産目標台数が半年で7000台だったそうで、半年後には新モデルが発表されたことを考えると、スパルタクスより少ない可能性がある。

実際、Portableやスパルタクス、はてはベネトンすらたまに出品される某オークションでもほとんど見かけなかった。

見かけなかったところへ突然出品された為ムキになって入札合戦して地獄を見たりなどした。

レア品の入札には気を付けよう…

G3が欲しいというなら、Pismoあたりを探した方がずっと安く手に入れられる。

本当の本当にお勧めできないがそれでも欲しくなってしまうのがコレクター…